先日、the rescapeという宮古島のヴィラに宿泊しました。滞在期間中、ホテル内にはいろいろな感染症対策の工夫が見られ、できる限りの取り組みをされているのがとても印象的でした。
「the rescape(ザ・リスケープ)」は宮古島の東海岸にあるヴィラタイプのリゾートホテルです。目の前にはプライベートビーチが広がり、ホテル敷地から海までは歩いて1分ほど。 お部屋にはプライベートプールを備えており、宮古島の自然[…]
2020年6月19日、全国的な移動自粛が解除されました。ですが、すぐに今まで通りに戻るわけではありません。旅行や観光の楽しみ方もいままでとは違ってくるのだと思います。そこで今回は「withコロナ社会と旅行」について考えてみたいと思います。
自粛についてのこれまでの流れを振り返る

日本では3月頃より新型コロナウィルス感染者が増え始め、5月には全国的な緊急事態宣言も発令されました。この期間、「1カ月近く自宅にこもっていた」という方も多いと思います。
【これまでの大きな流れ】
4月7日(火) 緊急事態宣言発令(7都府県)
4月16日(木) 宣言の対象を全国に拡大
5月7日(木) 緊急事態宣言延長開始
5月14日(木) 39県宣言解除
5月21日(木) 近畿2府1県宣言解除
5月25日(月) 緊急事態宣言解除(全国)
6月1日(月) 沖縄県内移動自粛解除
6月19日(金) 県外移動の自粛解除
沖縄県の感染者数は幸いにも爆発的に増えることもなく、6月1日に県内移動自粛の解除、さらに6月19日には県をまたぐ移動も解禁となりました。
こと宮古島においてはこれまで陽性者は出ておらず、6月に入り旅行者向け施設も徐々に営業再開するところが増えてきました。
旅行に対しては賛成・反対、両方の意見がある
長い自粛を経た今、「どこかへ旅行に行きたい!」とうずうずしている方も少なくないと思います。インテージの調査では、「自粛解除後の初の旅行をいつごろ予定しているか」を聞いたところ、8月と10月の回答が多く、2020年内に旅行を考えている人は全体の約半数に上ります。ただ一方で、「時期に関わらず行かない」と答えた方の割合は約22%です。

「旅行なんてしたら、また市中感染が広がる」「田舎は医療資源が少ないんだから、旅行すべきではない」などの意見もあるかと思います。一方で観光業に携わる方などからは、「早く来てほしい」「人が来ないと倒産してしまう」という意見も耳にします。賛成派、反対派、色々な意見があるでしょう。
ただ残念ながら現段階では、どちらの意見が正しいのかを判断することはできません。だからこそ、大切なのは「しっかりと考えたうえで、自分の頭で判断すること」ではないでしょうか。新型コロナウィルスはまだまだわかっていないことも多く、どう社会生活していくべきか、どう経済活動を維持していくべきか、については一人一人が考え、模索していくことになります。
そして最終的には、自分自身で判断するしかありません。その時々の状況をよく鑑みたうえで、検討するよう心がけてみるのがいいのではないでしょうか。
今回の宿泊で気付いた「Withコロナ時代の旅の形」
旅行のスタイルは人それぞれだと思います。時間を効率的に使ってたくさんの観光地をまわる人。特に何もせずホテルやビーチでゆったりとした時間を過ごす人。
Withコロナ時代の旅行では、後者のような「静」を楽しむ旅行が増えていくのではないかと感じています。休業している行楽施設や観光スポットもまだあります。動けば動くほど、人の流れが激しくなります。そういったことを考慮すると、「何かをして楽しむ」よりも「何をしないことを楽しむ」ほうにシフトしていくと考えるほうが自然な気がします。
- 行楽費を抑えられるぶん、ちょっといいホテルに泊まってホテルライフを満喫する。
- 店内で食べるのではなく、テイクアウトしてロケーションのいい場所で食べる。
- 観光地をあくせく巡るのではなく、散歩をしたり読書したり、安らかに過ごす。
そんな旅先での過ごし方がトレンドになっていくように感じました。
ホテルや旅館もいろいろな工夫・努力をして頑張っている
さらに今回 the rescape に宿泊してみて、ホテル側の努力も色々なところで垣間見れました。

具体的には、スタッフの方のマスク着用はもちろん、入館時に体温チェックをしたり、アルコール消毒をいろいろなところに設置したり、席数を減らして3密を避けたりなど、できる限りの対策が講じられていました。さらに、お部屋で食べられる豪華なお弁当の選択肢も用意して、宿泊者が安心して快適に過ごせるような配慮を感じました。

ホテル、民宿、ゲストハウスなど、ほとんどの施設で何かしらの感染症の対策がほどこされています。旅行者はそういったホテル側の取り組みに協力し、施設と宿泊者、さらに宿泊者同士が気持ちよく過ごせるようにするな姿勢が大切です。
ちなみに、日本旅行業協会のガイドラインでは以下のように定められています。
【旅行業における感染症対策の基本原則】
・従業員とお客様及びお客様同士との接触をできるだけ避け、対人距離をできる だけ2m(最低1m)確保するよう努める。
・感染防止のための来店人数の調整(店頭での旅行販売・相談業務、旅行申し込 み手続き時等に密にならないように対応。)
・旅行会社店舗入口及び店舗内の手指の消毒設備の設置
・マスクの着用(従業員及びお客様に対する周知)
・店舗等の換気
・商業施設内の店舗については、各商業施設のガイドランに準じた対策の実施・店舗内の定期的な消毒
日本旅行業協会・全国旅行業協会|旅行業における新型コロナウイルス対応ガイドラインより
・お客様に旅行時の感染防止対策を周知・啓発し、対策の実行への理解と協力を依頼する。
ホテル側の発信も重要
先のインテージの調査によれば、旅行先の施設で実施してほしいこととして、「施設スタッフのマスク着用」「人との間隔を空けた座席の配置」「食事の際はビュッフェではなく配膳式にする」などが挙げられています。

旅行を計画している人が可否判断しやすいよう、宿泊施設側の情報発信も重要になってきます。感染症対策として「こんな工夫をしている」「これで3密を避けている」など、具体的な取り組みを事前に知ることができれば、旅行者も判断をしやすくなるはずです。


多くの施設でこのような情報開示がされている
施設側は情報を逐次発信し、旅行者はそれらに自分からアクセスする。観光業に限らず、withコロナ社会においては、こういうことが重要だと感じました。
ちなみに、ブッキング・ドットコム(Booking.com)は、各宿泊施設の「健康・安全に関する取り組み」の表示をスタートさせるそうです。「セキュリティ」「ソーシャルディスタンス」「清掃」「フード&ドリンクに関する安全対策」の4つのテーマについて、チェック項目を設け、具体的な対策を明示する仕組みが始まっています。

Withコロナ社会では「周囲への配慮」と「共生できる環境づくり」が大切
当面の間はいろいろな制約があるなかで、旅行を楽しまなくてはいけません。こと宮古島においては、医療資源が限られており、旅行に対してネガティブにとらえている方も一定数いらっしゃいます。だからこそ、旅行者は細心の注意を払いながら楽しむ気構えが必要です。旅行者、観光業者、地元住民など、みなが共生できる環境を作っていくことが求められているように思います。