奄美大島の面積は約712㎢。東京23区よりも広く、日本の離島のなかでは沖縄本島と北方四島を除いて佐渡島に次ぐ2番目に大きな島です。奄美大島と一口に言っても、地域によって伝統や風土、気候、そして生息する生物の種類が異なります。奄美大島を訪れた際には、島特有の多様な文化にぜひ触れてみてください。
そんな奄美大島にある「伝泊 古民家」は、島で代々受け継がれてきた文化を肌で感じられるお宿です。全部で15棟の古民家が奄美大島を中心に点在し、一つとして同じ施設はありません。なかでも今回宿泊させていただいた「アダンと海みる宿」は、美しい夕景が見られる一棟貸しタイプのお宿。この記事では、「アダンと海みる宿」に滞在中の様子を詳しく紹介していきます。
「アダンと海みる宿」は周囲に民家がほとんどなく、敷地に一歩足を踏み入れると別世界が広がります。今回、5歳児を連れての宿泊でしたが、お宿は美しい海とアダンやソテツなどの木々に囲まれ、子どもはもちろん、大人も奄美大島の大自然に終始圧倒されっぱなしでした。世界に私たちだけしかいないような錯覚を覚え、何ものにも代えがたい貴重な宿泊体験ができました。
・ 奄美大島の大自然にどっぷりとつかりたい
・ 奄美大島で暮らすように泊まれるお宿を探している
・ 人目を気にすることなく、自分たちだけの時間を楽しみたい
※本記事の情報はすべて宿泊時点のものとなります。記載されているサービスや内容に変更がある場合もございますので、詳しくはお宿のほうへ直接お問い合わせください。
「伝泊」は、島の伝統を次の時代へつなぐ
奄美群島を拠点とする「伝泊」は、「伝統的・伝説的な建築と集落と文化」を後世に伝えるための宿泊施設。ヴィラタイプの「伝泊 The Beachfront MIJORA(ザ ビーチフロント ミジョラ)」、ホテルタイプの「伝泊 奄美 ホテル」、リーズナブルに利用できる「伝泊 フレンドリー(伝泊 奄美 ホテル 別棟)」、そして昔ながらの奄美の伝統建築を生かした「伝泊 古民家」、大きく4ブランドのお宿を展開しています。
奄美大島には約360の集落があるとされ、それぞれに言葉や島唄、踊りなどの文化が異なります。今回宿泊した「伝泊 古民家」は、島固有の集落内にあるため、その地域に暮らしているように滞在できるのが魅力です。
新しさと郷愁が共存する「伝泊 古民家」
「伝泊 古民家」は奄美、加計呂麻島、徳之島に合計15施設あります(2021年7月現在)。いずれの古民家も奄美の伝統的な建築技法を受け継ぎながら、旅行者が快適に過ごしやすいようリノベーションされています。
奄美の伝統建築にはいくつかの特徴があり、たとえば台風対策がいたるところに施されている点が挙げられます。
家屋の周囲には珊瑚石の塀や防風林が立ち、台風の強風に耐えるための工夫がされています。床は高床になっており、台風の風を逃がす役割だけでなく、湿気対策としても有効です。そのほかにも、平屋が多いことや、釘を使わずに楔を使用して組み立てる「ヒキモン構造」など、さまざまな特徴があります。
参照:https://www.den-paku.com/amami/architecture
今回宿泊したのは「アダンと海みる宿」
「伝泊 古民家」は奄美大島に7棟、加計呂麻島に2棟、徳之島に6棟あり、いずれも1棟貸しタイプの宿泊施設です。
今回宿泊させていただいたのは奄美大島の北部、佐仁集落内にある「アダンと海みる宿」。半径100m圏内には民家もなく、集落の最北端にあるお宿です。
お部屋の面積は約88㎡。お部屋の外には、大人数でバーベキューができるほどの広さのウッドデッキを備えており、目の前の海岸へ直接下りることができます。佐仁集落の海岸はサンセットスポットとしても有名。眼下に広がる美しい海と、水平線に沈む夕日のパノラマは、時間を忘れ見惚れてしまいます。
チェックインは伝泊の複合交流施設「まーぐん広場」で
「伝泊 古民家」に宿泊する際、チェックインは奄美空港から車で10分ほどのところにある「まーぐん広場」で行います。「赤木名」と呼ばれる集落にある複合施設で、「伝泊 古民家」と「伝泊 奄美 ホテル」の宿泊受付であるほか、レストラン、高齢者施設、イベントスペース、ショップなどが設けられています。
2階は「伝泊 奄美 ホテル」となっており、まーぐん広場は伝泊が運営する各宿泊施設の中心的存在になっています。
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集落の奥に佇む秘境感満載の美しいお宿
まーぐん広場でチェックインを済ませたら、スタッフの方が車でお宿まで誘導してくれます。「アダンと海みる宿」までは、まーぐん広場から北方向に車で20分弱。
お宿周辺には、スーパーや飲食店などの商業施設があまりないので、必要なものはお宿に向かう前に買っておくとスムーズです。
集落の細い路地をくねくねと進んでいくと、目的地の「アダンと海みる宿」に到着。お宿はアダンやソテツ、松の木などの豊かな防風林に囲まれ、まるで時が止まったような別世界にいる感覚を味わえます。
人工的な音が一切せず、聞こえるのは波の音、木々がこすれる音、そよ風が耳をかすめる音。こんなにも静かなところに滞在できるお宿はそう多くありません。
奄美大島の歴史を紡ぐ、心地よい室内空間
お宿に着いたら、さっそくお部屋のなかへ。広い玄関の目の前にあるのは6畳の床の間。座敷の顔ともいえるスペースで、奥にはすこし段差になった床板が敷かれています。
床の間を右手へと進んでいくと、敷居を2本挟んでさらに広々とした和室が続きます。そのわきには長い廊下が走り、壁にはガラス窓が一面に張られています。防風林からの木漏れ日が屋内に注ぎ、とても気持ちがいい空間です。
スタッフ
洗濯機も用意されており、滞在中洗濯ができます。10mほどの幅がある物干し場は、どんなに洗濯物が多くても大丈夫。屋根付きの半室内なので、お天気に限らず洗濯物を乾かせます。お風呂場は木の香りが漂い、ステンレスの湯舟はどこか懐かしい雰囲気。
一番奥にあるのはダイニングキッチン。キッチン家電、食器、調理器具なども十分に用意され、快適に料理ができます。「伝泊 古民家」は素泊まりのお宿なので、スーパーや直売所で島の食材を買って、お部屋で食事を楽しみましょう。
どこまでも続く海景を独り占めできるテラス
お宿の玄関から左手へ進むと、テラスに出られます。抜け感の気持ちいい和室、広々としたキッチンダイニングもさることながら、開放的でプライベート感のあるテラスも「アダンと海みる宿」の見どころです。
テラスは海岸のぎりぎりまでウッドデッキが敷かれているため、まるで水平線と一続きになっているよう。夕方になると水平線に沈む夕日が望めます。黒糖焼酎を片手に夕景を眺めたり、食事をテラスでしたりと、ついつい長居をしたくなる場所です。
事前に予約をすれば、お宿のスタッフの方がバーベキューセットと食材も用意してくれます。周囲の大自然を感じながら、大切な人と食べる食事は格別です。
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星降る夜には天体観測や、オリジナルの線香花火を
陽が沈み夜になると、今度は空一面に満天の星空が広がります。都会ではなかなか見られない自然の天体ショーをじっくりと楽しみましょう。
スタッフ
まーぐん広場では、昔懐かしい線香花火を購入可能。福岡県にある老舗の花火製造所の線香花火で、はかなくも繊細に散る火花はとても風情があります。
まとめ
「伝泊 古民家」は、新しくてどこか懐かしい郷愁にあふれたお宿です。今回ご紹介した以外にも、白い砂浜と朝日が美しい「水平線と朝陽の宿」、映画『男はつらいよ』の舞台になった加計呂麻島の「リリーの家」など、個性豊かな古民家があります。
それぞれ違った宿泊体験ができるので、「複数の古民家をはしごする」というのも、それぞれの地域の風習を感じられより有意義な旅となるでしょう。奄美諸島のご旅行を計画されている方は、ぜひ検討してみてください。
アダンと海みる宿の詳細情報
編集部おすすめ ポイント! | ・集落の奥に佇む秘境感満載の美しいお宿 ・広々としたテラスから見るオーシャンビューが絶景 ・奄美大島の雄大な自然を思いきり満喫できる |
海からの距離 | 佐仁集落の海岸まで徒歩30秒 |
相場感 | 1泊1人5500円ほどから(人数、シーズンによって変動あり) |
アクセス | 奄美空港から車で約30分 名瀬(中心市街地)から車で約70分 |
住所 | 〒894-0511 鹿児島県奄美市笠利町大字里50-2(チェックイン場所) ※お宿まではスタッフの方が案内してくれます。 |
TEL | 0997-63-1910(午前9時〜午後6時) |
公式HP | https://den-paku.com/kominka |
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