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奄美大島の世界自然遺産登録はいつ?その理由と背景

豊かな自然と多様な生態系が今なお残る「奄美群島・琉球列島」。2021年、国内で5件目の世界自然遺産として「奄美大島、徳之島、沖縄島北部及び西表島」の登録が期待されています。

この記事では、奄美大島が世界自然遺産に登録される時期や理由などを紹介していきます。また、奄美大島で固有の生態系が受け継がれてきた背景も解説していますので、ぜひ最後までお読みください。

奄美大島の世界自然遺産登録はいつ?

2021年5月10日に世界自然遺産の諮問機関「IUCN(国際自然保護連合)」によって「奄美大島、徳之島、沖縄島北部及び西表島」が登録にふさわしいとする勧告が出されました。

これにより2021年7月16~31日に行われる世界遺産委員会で奄美・沖縄の世界自然遺産登録の可否が議論されます。登録となれば、「白神山地」「屋久島」「知床」「小笠原諸島」に続く、国内5件目の世界自然遺産です。

【世界自然遺産に登録されるまでの流れ】

  1. 各国政府が世界遺産条約を締結・批准
  2. 各国政府が推薦書を提出
  3. ユネスコの世界遺産センターは推薦書を受理し専門調査を依頼
  4. 諮問機関「IUCN(国際自然保護連合)」が現地調査などを行う
  5. ユネスコの世界遺産センターを通して専門調査に基づく勧告
  6. 世界遺産委員会にて審議・決議
  7. 世界遺産登録が決定

 

奄美大島は一度、世界遺産の登録延期になっている。その理由とは?

奄美大島のマングローブ

実は、奄美大島・沖縄の世界自然遺産登録は一度延期になっています。2017年、ユネスコ世界自然遺産センターへ推薦書が提出され、その際は現地調査を実施したIUCNが登録延期を勧告。それを受けて、政府が推薦をいったん取り下げました。

登録延期と判断された主な理由は、「推薦値が細かく分断されていること」「外来生物に対する対策が不十分なこと」など。

日本はその後、24に区分されていた候補地を5区画に統合。さらに外来種への対策も強化し、2021年にあらためて世界自然遺産への登録を目指している、というのがこれまでの大きな流れです。

 

世界自然遺産の登録をはばむ3つの課題

奄美大島 飛び出し注意の看板

世界自然遺産登録へさまざまな取り組みを進めている奄美大島。それでも登録を目指すうえでの課題が指摘されています。続いてはその一部を見ていきましょう。

ロードキル

動物が道路上で車にひかれることを「ロードキル」と呼びます。たとえば、奄美大島にいる固有種「アマミノクロウサギ」。2007~2016年度において確認された死亡個体数499件のうち、113件のロードキルが報告されています(奄美野生生物保護センターの調査)。また、2021年5月には1か月で3件のロードキルが発生していたことがわかっています。

世界自然遺産登録が実現すれば観光客数の増加とともに、ロードキル事例の増加も心配されます。防止に向けた対策が現在進行形で進められています。

外来種

奄美大島は東洋のガラパゴスともいわれ、独自の生態系が形成されています。ただ一方で、人為的に持ち込まれた外来種により、その生物多様性が脅かされています。そのうちのひとつが「マングース」。

ハブの駆除目的に1797年に奄美市名瀬から約30頭のマングースが放たれました。ただ実際にはマングースがハブを食べることはほとんどなく、昆虫やウサギ、カエルなど固有種を捕食していることが発覚。年々、マングースは勢力を強め、最大で1万頭にまで増えたといわれています。ただ、近年は対策が講じられ、2021年現在では数頭を残す程度となっています。

盗掘・密猟

希少な動植物を勝手に島外へ持ち出す「盗掘」や「密猟」も課題のひとつです。2019年には希少種「アマミイシカワガエル」などの無断持ち出しが奄美空港で検挙される事件が発生しています。

植物では絶滅危惧種に指定されている植物の「アマミアワゴケ」や「ダイサギソウ」などの盗掘も報告されています。自動撮影カメラの設置や空港検疫の強化など、こちらも対策が急がれています。

 

世界自然遺産になると何が変わる?

豪華客船

世界自然遺産の登録が実現すれば、観光業の発展や当該地区の知名度向上などが期待できます。一方で、観光過熱による自然への負荷が懸念されています。また、さきほどご紹介したロードキルや盗掘・密猟などの増加も考えられます。

そうならないためにも、適正な管理や制限を行うと同時に、島を訪れる観光客ひとりひとりがマナーをもって自然に接することが不可欠です。

そして、もともと世界遺産は「人類共通の貴重な自然や文化的遺産を、国際協力によって守っていく」というのが本来の目的です。近年では経済効果が期待できることから商業的な意味合いも強くなっていますが、世界遺産の登録を通じて私たちひとりひとりが自然との付き合い方を改めて考えることが必要なのかもしれません。

 

世界自然遺産登録は必ずしも観光客数が増えるわけではない

世界自然遺産に登録されるとおおむね翌年の観光客数は増加します。しかしながら、必ずしもそうなるとは限りません。実際、1997年に世界文化遺産登録された「原爆ドーム」や「厳島神社」は、登録後数年で訪問者数が減少しています。島根県の「石見銀山遺跡」も登録された2007年をピークに以降、観光客が登録前の水準に戻っています。

世界自然遺産に登録されている「知床」や「屋久島」(いずれも2005年登録)も一時的には観光客数が増えたものの、登録から数年経過すると減少傾向になっています。

このことから「世界自然遺産登録=観光客増加」というわけではないことがわかります。

 

奄美大島が世界自然遺産になる理由

奄美大島のマングローブ

さて、そもそも奄美大島が世界自然遺産に登録される理由はどこにあるのでしょうか。その一部を紹介していきます。

年間降水量は最大3000mm。温暖湿潤な「亜熱帯海洋性気候」

奄美大島の面積は約712㎢。東京23区や琵琶湖よりも大きく、北方四島や沖縄本島を除けば、日本で2番目に大きい離島です(1番は佐渡島)。島内の多くを山や森が占め、年間を通じて温暖湿潤。日照時間は札幌や東京よりも短く、雨が多いのが特徴です。湿度が高く、年間平均気温は20度前後。動物や植物が生息しやすい気候を持ちます。

日本の面積の0.19%に、日本の哺乳類の13%が生息している

そういった地理的、気象的背景から、奄美大島では長い年月をかけて多様な生態系が育まれてきました。国土の0.19%のなかに、日本で確認されている哺乳類の約13%、両生類約14%、爬虫類約22%が分布しています。鳥類にいたっては315種、約50%を誇ります。

さらに奄美大島の動植物は、固有種が非常に多いのも特徴です。アマミノクロウサギをはじめ、アマミイシカワガエル、アマミヤマシギ、アマミトゲネズミなど数えればきりがないほどです。

海に沈まない「山の島」だからこそ、維持されてきた生態系

2021年7月に世界自然遺産登録が期待される「奄美大島」「徳之島」「沖縄島北部」「西表島」はいずれも「山の島」もしくは「山と台地の島」です。

たとえば、沖縄県の宮古島は琉球石灰岩が隆起した台地の島。標高は最大でも100m前後と低地が多く、雨水も地価の洞穴に流れ込み河川が発達しづらい環境です。一方、山の島は森林や川に恵まれ、標高も高いので海に沈むことはほとんどありませんでした。

それにより途切れることなく命が繋がれ、現在まで多様な生態系が維持されてきたのです。そして、それらの豊かな生態系の「普遍的価値」が認められ、今回世界自然遺産に登録されるかもしれないということです。

 

奄美大島に生息する主な絶滅危惧種

最後に奄美大島に生息する代表的な固有種を一覧でご紹介します。

奄美大島
固有種数
主な固有種
(琉球列島の固有種も含む)
哺乳類8種アマミノクロウサギ、ケナガネズミ、アマミトゲネズミ、オリイジネズミなど
鳥類2種ルリカケス、オオトラツグミ、オーストンオオアカゲラ、アマミヤマシギなど
爬虫類10種ハブ、ヒメハブ、ヒャン、アマミタカチホヘビ、バーバートカゲ、アマミヤモリなど
両生類9種イボイモリ、オットンガエル、アマミハナサキガエル、アマミイシカワガエルなど
陸水生魚類9種リュウキュウアユ、ハヤセボウズハゼ、キバラヨシノボリ、アヤヨシノボリ、ミナミアシシロハゼ、ミナミヒメミミズハゼなど
昆虫類695種アマミマルバネクワガタ、ウケジママルバネクワガタ、マルダイコクコガネ、エグリタマミズムシ、アマミヤンマ、アマミサナエ、アマミルリモントンボ、リュウキュウハグロトンボなど
植物125種
(維管束植物のみ)
トリガミネカンアオイ、グスクカンアオイ、カケロマカンアオイ、フジノカンアオイ、ナゼカンアオイ、アサトカンアオイ、アマミイワウチワ、アマミクサアジサイ、アマミアワゴケなど
出典:「奄美大島、徳之島、沖縄島北部及び、西表島 世界遺産一覧表記載推薦書 付属資料」

 

自然の多様性にふれるならガイドとともに

奄美大島 森

奄美大島にはさまざまな生き物が生息していますが、それらを観察するなら「ナイトツアー」などのアクティビティに参加しましょう。

個人で山の中に入ったり、夜の山道をレンタカーで走ったりするのは危険も伴います。自然保護の観点から独自のルールが設けられていたり、知らないうちに自然に害を及ぼしてしまったりする可能性もあります。豊かな自然や生態系を後世につなぐ意味でも、自然のプロにガイドをお願いしましょう。

 

 

 

【参照】
世界自然遺産について|奄美市
登録までの流れ|世界遺産検定
クロウサギの輪禍多発 徳之島 5カ月で7件 細心の注意を|奄美の南海日日新聞
マングース、根絶へ新計画 奄美大島 駆除20年、最終段階に|奄美の南海日日新聞
奄美大島 密猟・密輸対策と外来種駆除 世界遺産登録前に強化|毎日新聞
世界遺産に関する基礎データ集|文化庁
「奄美大島、徳之島、沖縄島北部及び、西表島」世界遺産一覧表記載推薦書- 付属資料 -|日本政府
奄美大島生物多様性地域戦略(2015年-2024年)|奄美市


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